西加奈子『くもをさがす』を読んだ感想

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この本との出会い

通勤中にラジオを聴いています。

TOKYO FMのONEMORNINGという番組の「ジュンク堂池袋本店」とのコラボでこの本が紹介されていました。

今までもこのラジオ番組を聴いて、読んだ本があります!

西加奈子さんの本は読んだことがなかったんですが、興味があったので手に取りました。

乳がん発覚から治療を終えるまでのおよそ8か月間がつづられたノンフィクションです。

感想

がん治療のノンフィクションということだったので、重苦しい気分で読み進めことになるかもと覚悟していましたが、

決してそうではなくて、もちろん辛い気持ちに共感して苦しくなる部分もありましたが、

前向きになれる部分もあったりで、思ったよりもスイスイ読むことができました。

だって、カナダ人の医療スタッフのセリフが関西弁なんですよ。

本当は英語で会話しているんでしょうけど、大阪育ちの西さんには関西弁に聞こえるのでしょうか。

西さんは乳がんが発覚しても日本に帰国せずに、カナダで治療をするのですが、

カナダと日本の医療システムの違いに驚きました。

前にブレイディみかこさんの本を読んだときに、イギリスと日本の医療システムの違いに驚いたんですが、

カナダもイギリスに似ている感じがしました。

一番驚いたのが、両乳房切除の手術が日帰りなんです!

術後のドレーンケアも自宅に帰って自分でするなんて驚きです。日本ではありえません。

日本とカナダの医療システム、それぞれ素晴らしいと思う部分があり、どちらが良いとかは言えませんが、

文化の違いというか、日本で当たり前のことがカナダでは全く違っていて、驚くばかりです。

それを受け入れて、治療を続けた西さんすごいです。

そして、がん治療中の西さんを支える、家族や友人、医療スタッフが本当に素敵です。

西さんの友人ノリコさんがオーガナイズした「Meal Train」という友人たちにご飯を届けてもらえるシステムが最高です!

カレンダーに友人たちがメニューを書き込んでくれて、毎日順番に届けてくれたそうです。

このシステム、いつか私の友人が必要になったときには、私もやりたいと思いました。

がんセンターの日本語通訳のユキエさんの言葉が心に残りました。

「自分のがんのことは、自分で調べて、医者任せにしないこと。少しでも治療に対して疑問があったら、遠慮なんていらないから、どんどん聞くの。」

「自分の身は、自分で守るの。」

西加奈子『くもをさがす』

がんセンターのインターンのサラの言葉にハッとしました。

「もちろん。決めるのはカナコやで。」

サラは、私の目をまっすぐに見つめていた。

「あなたの体のボスは、あなたやねんから。」

西加奈子『くもをさがす』

がん治療が終わってからの西さんは幸福だけれども、寂しい。

治療後にこんな気持ちが待っているなんて想像もしませんでした。

私たちは、100パーセントの気持ちで幸福を感じながら、同時に、100パーセントの気持ちでそれを失うことを恐れる生き物なのだ。「幸せすぎて、怖い」と人類で初めて言った人は、誰なのだろう。

西加奈子『くもをさがす』

巻末には家族や友人、医療スタッフへの感謝の言葉がつづられています。

西さんの息子さんへの言葉に涙が出ました。

私にとってもやっぱり子ども達は光です。

これからの人生でこの本を繰り返し読むことがきっとあるような気がします。

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