ちょっと不思議だけど、温かくて、面白くて、読み終わるとすっきりする短編集です。
目次
優しい音楽
何か秘密がありそうな恋人。その秘密を知ってしまってショックだったけれど、それからの行動が素敵でした。
音楽って本当に素晴らしいです。みんなで合奏をして、リビングの空気が動き出すような感じ・・・イメージが浮かんできて、素敵な演奏だなあと思いました。これからも2人は素敵な恋人でいられますね。私もチェロの練習を頑張って、リビングで家族と合奏したくなりました。
タイムラグ
不倫相手である主人公のことを本当は応援したくないはずなのに、読んでいるうちになんだか憎めなくて、こういうのもありだなあなんて思ってしまいました。
いつのまにか、不倫相手であることを忘れてしまうくらい、魅力的でした。
実際はあり得ない状況だけれど、愉しかった。爽快な感じです。さすが、瀬尾まいこさんですね。
がらくた効果
この作品も、同棲相手がいきなり初老のホームレス男性を連れ込んでくるという、全くあり得ない状況なんですが、読み終わると、温かくて、すっきりしました。不思議です。
途中、駅伝の話が出てきたときは、『あと少し、もう少し』を思い出したり、それも楽しかったです。
「前の人が到達できなくても、スタートのチャンスがあるし、自分たちのたすきじゃなくても、スタートしなくてはいけないのですね」
瀬尾まいこ『優しい音楽』
今までのことがチャラになってしまっても、走らないといけない。全てをなくしてしまっても、先にむかわなくてはいけない。
瀬尾まいこ『優しい音楽』
始めは驚く状況だけれど、最終的にはみんなにとって良い経験だったんだなあと思えてしまいます。
不思議だけれど、優しい会話で、温かい気持ちになれます。
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